砂を削りながら、優花の答えを待っていると優花はなんだか恥ずかしそうに答えた。
「……秘密」
「秘密?なら、いるんじゃん」
「……秘密だもん。いるかもしれないし、いないかもしれないよ?ユキちゃんは?」
「……じゃあ俺も秘密」
「……今日のユキちゃん、ズル〜イ」
「……優花のマネしただけだもん」
そう話しながら砂をガバッとすくうと、頂上にあった枝はパタリと俺の方へ倒れた。
「あ♪ユキちゃんの負け〜♪」
なんとも嬉しそうに優花が勝利を喜んでいる。
優花の嬉しそうな顔を見れたのもいいが、デコピンでもいいからちょっとでも優花に触れたかった俺は少し悔しかった。
「……う〜…じゃあしゃあねぇな〜。デコピンして〜」
そう言ってデコ出して身構える。
でも、優花が「いっくよ〜♪」って元気よく言ったことに俺は若干怯む。
「……あんま痛くすんなよ?」
「…うん、大丈夫。優しくするよ」
今のセリフ、逆パターンで訊きたかったな…と相変わらずムラムラな俺はちょいちょい入らぬ妄想が入るから困る。
ペチンッ!
「……いっっってぇ!」
俺がデコを抑えてうずくまると、優花が心配そうに俺に駆け寄ってきた。
「え?うそ〜。ごめん、大丈夫?そんなに強くしてないのに……。ユキちゃん……大丈夫?」
無言でうずくまったままの俺に優花は何度も心配そうに声をかけてきた。
もうしばらくそうしていようかと思ったが、優花が可哀想だからやめることにした。
「うっそ〜。全然、痛くねぇし。……って、あれ?なんで泣いてんだよ(笑)」
うずくまっていた顔をあげて、笑顔でそう言ったのに、顔をあげた時優花は目を潤ませていた。
「……ふぅ…ん……よかった…。ユキちゃんの…頭蓋骨割れてたら……どうしようかと思っ…た…」
「……いやいや、頭蓋骨割るとか……優花の力、どんだけ強ぇんだよ(笑)」
そんなに怪力優花だったら、好きになるのどうしようかななんてバカなこと考えてまた笑いそうになったけど、優花は泣いてるから堪える。
「……っんと、泣き虫だよな、優花って」
相変わらずシクシクと泣く優花の頭にそっと触れた。
サラサラで甘い香りがする優花の髪。
俺のムラムラは加速するばかり…。
.


