「……海?……でも、あたし水着持ってきてないよ?」
「入んねぇよ(笑)見に行くだけ。天気いいし、見に行かね?」
そう言うと優花は「うん、いいよ♪」って笑った。
海へ行くのは、去年の夏振り。
去年はサッカー部の夏合宿で、海が見えるロッジへ泊まった。
顧問の知り合いの人が運営しているらしく、かなりオシャレなロッジのせいで、テンションが上がったサッカー部一同は夏合宿というのに、全然夏合宿らしいことはせず、ただ旅行に来たようだったのを覚える。
海で水着着て遊んだり、浜辺でビーチバレーとか…(笑)サッカーとは全然関係ないことをして、遊びほうけていた。
顧問の先生だって、昼からビール飲んだりしてたし。
今年の夏休みも同じ顧問だから、同じロッジへ行くらしい。
まぁ、でも夏合宿らしくない夏合宿をサッカー部一同かなり楽しみにしている。
「……わぁ♪もう、泳いでる人もいるね。楽しそ〜♪」
海に着くと、まだ七月に入ったばかりだというのに、泳いでる人が沢山いてボインのお姉さんがいっぱいいた。
……いかん。
今日はムラムラのせいか、そこばかり目がいく……。
浜辺の広いところは人がたくさんいた為、俺と優花は浜辺の端っこのほうで座って海を眺めたり、貝殻集めをしたりしていた。
ピンクの貝殻を見つけて、それを優花にあげると、ネックレスあげた時みたいな笑顔見せるから俺の胸がギュ〜って雑巾絞りされたみたいになる。
今日はムラムラのせいか、胸キュンが半端ない……。
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