「…へぇ。意外とユキ、気弱いんじゃん(笑)俺には偉そうにするくせに…。…っいて!」


そう言って風馬が笑うから、俺は何も言えなくて変わりに風馬の尻を思いっきり蹴ってやった。

八つ当たりなんかじゃない。

……愛情表現のつもり。…にしては力入り過ぎた。



「……それより、風馬は今日何?マジでデート?」


そう訊くと、案の定顔が赤くなる風馬。


「ち、ちげぇよ!あいつが遊びに行きたいって言うからついてきてやっただけだし!」

「……へぇ。風馬ちゃん、やっさしぃ〜。……っいてぇ、バカ」


からかった俺に、お返しと言わんばかりの力いっぱいの蹴りが俺の尻に来た。


それでも顔を真っ赤にしてる風馬が面白くて、可愛い。

そして、羨ましい。


俺も優花とそんな関係なら、さっさとデート誘って、告白だってしてると思う。


俺が邪魔に思ってるのは、
優花が『妹』だと言うことだけ。


ただ、それだけの理由で告白出来ないなんて俺は運が悪すぎる。


好きと思うたびに、『妹』という関係が邪魔をする。


なんで、優花は『妹』なんだろう。


なんで、俺は『妹』を好きになったんだろう……。