「優奈!!行こ!!」
美佳は、私の手を引いてトコトコと歩いていった。
「美佳~。どうしたの?」
私が遊び半分で尋ねると、美佳が顔を真っ赤にして言った。
「優奈!!も~恥ずかしいよ!!」
「まっまぁ」
私は美佳を慰めた。

私は思ってもいなかった。
美佳と友達の関係から大きな事件が発生することを・・・。
そう・・・・
沙里奈にとっての大きな事件。
そして・・・私のとっても大きな事件。


――――次の日。
「優奈~!!」
そう言って声をかけてきたのは、美佳だった。
「美佳!!どうしたの?」
「なんかさ~沙里奈が呼んでるけど・・・」
美佳は入り口のほうを指差して言った。
「ありがとう・・・」
私は、沙里奈の方へと、走っていった。

「沙里奈?どうしたの?」
「優奈・・・気をつけた方がいいよ」
沙里奈は静かに言った。
「どういうこと?」
「由紀がさ・・・やばいこと考えてんだってさ」
「やばいこと?」
私が聞き返すと、沙里奈は私を少しにらんで言った。
「あんたをいじめる、作戦考えてんだってさ・・・」
沙里奈はそれだけ言うとさっさと行ってしまった。
私は、沙里奈に向かって叫んだ。
「沙里奈~!!ありがとう!!」
沙里奈はチラッと私の方を見て行った。