そんな、馬鹿な事をやっていると、カラオケ店についた。

中学生は、校区外はない。
だから、カラオケ店も行っていいんだよね?

あたし、行った事ないんだよね。
親とかと行くのは、嫌だからさ。


それに、一人っ子だし。


「オッシャー、今日は歌いまくる!」

春が、制服の袖を捲り上げている。
そんなに楽しみかい?

春はね、未来とめちゃくちゃ気があってるの。
たまに変なことして遊んでる。


凡人には、理解できん。


「じゃあ、行きますか」

空が、一まとめしてあたし達はぞろぞろと入っていく。
空は、まとめ上手。

仕切ったりするのも、空。
亜里沙も仕切ったりするんだよね―……。


一見おとなしそうに見えるけど。


「夕美! 久しぶり……だな。卒業してから話してねぇよな?」


えっ――……?


「ゆーみー? きいてっか?」

彼は、クスクスと笑っている。
何一つ、変わらないかのように。

「う、うん。久しぶり……だね。大地」


大袈裟だけど、もう一生話せないと思ってた。
死ぬほど嬉しい。

相当惚れてるよ、あたし。


「何か、変な感じだよなぁ~。あんだけ仲良かったのにな?」

「う、うん。てかごめんね。……あたしのせいだよね」

もう、泣きそうだよ。
せっかく、話せたんだから楽しまなきゃ。


もう、一生話せないかもしれないじゃん。

「別にちげーよ。俺さ、お前とは友達がいいから」

今更、告白の返事?

あの時、あたしが告白した時は、何も言わなかったくせに。
ラブレター捨てたくせに。


今更、告白の返事?

しかも、フラレちゃったよ。
ダサイしー―……。


「うん、あたしもだよ」

あたしは、嘘を吐いた。
大地に、初めて吐いた嘘。