「此処だよ」

あれから、色んなことを話して笑い合った。
龍君といると、時間が早送りされたみたい。


ただ、楽しかった。

そして、あっという間についた高校。
とても、大きくて、吃驚してしまった。

「んじゃ、行きますかー」

「うん」

あたしは、笑顔で龍君に言った。

校門を潜り抜けると、大きな校庭があった。
大きな、サッカーゴールがある。

大地、サッカー部なんだよ。


今更、何思い出しているんだろう?
もう、諦めなきゃ。

「ね、ねぇ、龍君は何部?」

「んー、龍って呼んだら教えてあげる」

龍君は、意地悪そうに微笑んだ。

一瞬、心臓が飛び跳ねた。
少し、ドキドキしている。
大地の時とは、違う感じがする――……。

「り、りゅう?」

「なぁに? 部活だっけ? サッカー部だよ」

サッカー部?
大地と一緒だ、なんだか重ねてしまいそう。

「りゅー―――うー――――!」

前の方から、大きな声が聞こえたかと思えば、段々近づく人影。


金髪に、耳にはいっぱいのピアス?
この距離では、それぐらいしか見えない。

「げっ、崇じゃん」

龍は、嫌そうに顔を歪める。

「だぁれ?」

あたしは、首を傾げ、龍に聞く。
しかし、そのこたえは、返ってこないまま“崇”と呼ばれた男が近づいてきた。