私の心配を他所に、更に唇を尖らせる。
「こんなに太陽の光が突き刺さると、紫外線B派にお肌を殺られちゃうわよ」
この暑さへの不満が溜まっていたらしい。
それにしても、
「B派?」
さらっとはるるんの口から飛び出したその言葉に首を傾げる。
が、その問い掛けに驚いて目を丸くするはるるん。
「泉、知らないの?」
まるで、知らないなんて訳ないよね…という雰囲気を醸し出すその質問に声が詰まる。
言い出しにくいその空気の中で、すぅっと息を吸うと恐る恐る口を開いた。
「えっ、知らないけど」
そう言った途端やっぱりという顔をして、あのね。と言葉が続く。
はるるんによるお勉強会だ。
「紫外線にA派とB派があるのよ」
「へー、派閥みたいな感じ」
政治家とかもあるみたいだよね。派閥。
紫外線も政治家?
そうぼけっと思っていると、苛立った様なはるるんの大声が教室内に響き渡った。
「全然違う!泉、馬鹿でしょ!」
「酷っ!はるるんまでそんな事を!」
馬鹿は梶木君の専売特許なのに。
あっ、でも最近は海にもはるるんにも言われ放題か。
「言いたくなるわよ!紫外線に派閥なんかあるかっ!」
「で、ですよね」
はるるんの怒声に圧されて、苦笑いを漏らす。
紫外線も政治家と同じなんだぁ。なんて思ったなんて絶対に言えない。
言ったらどうなる事か……。
「あー、兎に角もうAが皺で、Bがシミって覚えときなさい!」
「雑っ!」
一気に説明が雑になってるよ、はるるん。