「だよねー。あんなお祖父ちゃんと結婚したお祖母ちゃんって凄い人だったんだろうね。尊敬するわぁ」


「だね。お祖母ちゃん、1回でいいから会ってみたいよね」



きっと何でも包み込んでしまう様な優しい人だったんだろうなって思う。



「私達が産まれる前に亡くなってるからね」



視線を天井に向けてそう言う海もお祖母ちゃんに会ってみたいと思っているんだろう。



「幽霊とか?」



へらっと笑い冗談めかして言えば、ふふっと笑みを漏らす海。



「会った事、無いんだから幽霊で出てこられても気付くか怪しいけどね」


「確かにそりゃそうだ!」



私達がお祖母ちゃんだ!って思う確立は結構低いのかも。


お祖母ちゃんの事は写真でしか知らないから。


でも、それでも、お祖母ちゃんが幽霊で出てきたら気付く気がする。


ただ、何となくそう思う。








「はるるん、おはよー!」


教室に入ると、既に来ていたはるるんの後ろ姿へと声を掛けた。


私の声に気付くと後ろを振り返って、


「おはよ」


と返事をしながら私が向かっているのと同じ様に私の席へと歩き出す。


席に着くと、私の前の席の椅子を引いてそこに腰を下ろすはるるん。


前の席は男子の席だから、座っていてもはるるんの笑顔一つで、どうぞと差し出される椅子な訳だ。



「今日も暑いね」



苦笑いを漏らしてそう口にすると、はるるんの眉間に皺が寄る。



ああ、可愛い顔が!……勿体ない感じになってる!