ぽんぽんぼん




二人の会話に捩じ込むようにニカッと笑って口を開く。



「そうなの!同じクラスなんだよ!」



私の笑顔につられてか、おばあちゃんも顔をくしゃくしゃにしてにこっと微笑む。


思わずほっとするその笑顔は、昔迷子の私に声を掛けてくれたおばあちゃんに似ている。


でも、雰囲気が似ているだけでやっぱりどこか違うんだ。



「声が大きいよ、森山さん」



私の声に対して、眉間に皺を寄せて文句を言ってくる梶木君の反応は予想通り。


それにへらっと笑って「そう?」と首を傾げた。



「私には丁度良いよ」



少ししわがれたその声音で、彼の眉がハの字に垂れ下がる。


どうやらおばあちゃんは私の味方についたらしい。



「で、颯太君はぽん菓子かい?」


「あっ、はい。2袋お願いします」


「2袋ね」



おばあちゃんが後ろを向き、私の時と同様にぽん菓子へと手を伸ばす。


それにしてもだ。


やっぱり、やっぱり、


「梶木君、やっぱりぽん菓子好きだったんだ!」



いつもぽん菓子の甘い香りがしてるから、そうじゃないかなって思ってたけど。


やっぱり好きだったんだ!



顔がにやけるのが止まらない。



「何?好きだったら悪いわけ?」



梶木君はぶすっとした顔でそう言ってくるけれど、そんな訳がない。



「全然!寧ろ嬉しい!」



そう言った瞬間、梶木君がふわっと笑った。


と、共に加速する鼓動。