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「あれー?ここに置いといた筈なんだけど?」
学校から家に帰って来ると、直ぐ様向かったお菓子置き場で一人首を傾げる。
学校では宣言通り、1時間目の授業が終わると嫌そうな顔をしている梶木君の胸元に鼻を擦り付けて匂いを嗅いだ訳だが。
家に帰って来ると、当然梶木君もいないのだから本物のぽん菓子にありつくのが私の日々の習慣だ。
なのだが、今日はいくら探しても私のぽん菓子が見付からない。
その時、ガチャっというリビングのドアを開ける音と共に海が部屋へと入って来た。
「何してるの、お姉ちゃん?」
必死にお菓子置き場を漁る私に怪訝そうな顔を向けてそう聞いてくる。
「あー、ぽん菓子が見付からなくって。海、知らない?」
「あっ、あー、知ってる。さっき私が食べた」
「なんですとおぉぉぉぉお!」
何、さらっと言ってるんですかい!
昨日、明日の分はまだあるから買いに行かなくても大丈夫…とか思ってニヤニヤしていた私を近くで見ていた癖に!
恐るべし、妹。
「煩いんだけど」
私が怒っているのに、自分の耳に人差し指を突っ込んでそう言ってくる海は、私の事を姉と認識しているのだろうか。
凄い下に見られてる気がする。
それでも今回は怒りがなかなか収まらない。
「何で勝手に人の物食べてるのさ!」
ギロッと海を睨み付けるが効果は全くなかったらしく、海といえばフッと鼻で笑うという。


