「気分はどうなの?」
そう聞かれて頭を触ってみるが、朝はあんなにズキズキと痛かったのたが今は全く痛みが無い。
「もう全然元気かも!」
「そりゃ、良かった」
私の返事を聞いてふわっと笑うはるるんは、相当心配していてくれたのだろう。
「あっ、草むしりは出席に」
「なるわよ。良かったわね」
そこまで口にした所で、答えを被せて言ってくれる所は流石はるるんだ。
私の頭の中など彼女にはお見通しだ。
「良かったぁ」
ほっと胸を撫で下ろす。が、そこでふと、倒れた私は一体どうやって保健室に?という疑問が頭を占める。
「あれ?ここまで運んでくれたのって、はるるん?」
見た目だけがか弱いはるるんなら有り得る。
けど、流石に女子一人で私を運ぶなんて事してないか?
「んな訳無いでしょっ!私はか弱い女子なのよ!私が動く訳無いでしょっ!」
ぷうっと頬を膨らませて突っ込んでくるはるるんは、その容姿のせいかそんな姿まで可愛い。
言ってる事は可愛いく無いけど。
「だよね。じゃあ、先生?」
私のその問い掛けに対して、眉間に皺を寄せぶすっとした顔で「違うわよ」とボソッと言う。
その不服と言わんばかりの表情。
「ん?」
首を傾げれば、そのままの表情で唇を尖らせて口を開く。
「梶木よ。梶木が泉が倒れるのを支えて、そのまま保健室までお姫様だっこよ」
「嘘っ!それ本当に!?」
「本当だから、こっちもビックリしたわよ」
「うわー。…信じられない」
何で?何で梶木君が運んでくれるの?
運ぶの嫌だって言ってたのに。
梶木君の近くで倒れたから?
でも、草むしり中なら先生に言えばいいのに。先生に言っても周りの目は痛くない筈なのに。


