アイス位全然オッケーだ。


けど、駅前のアイスって何処のだろう?



「駅前に新しく出来たアイスクリーム屋さん?」


「そう。美味しいらしいのよ」


「へえ、そうなんだ。了解です!」



つい最近、新しく出来たそのアイスクリーム屋さんは、変わった味があると皆が騒いでいたのは知っていた。


が、味も美味しいってのは知らなかったな。



「奢りだから、何頼もっかな?」



机に頬杖をつきながら、空いている手にはお箸を持ち嬉しそうにそう言うはるるんにドキッと心臓が嫌な音をたてる。


どうやら心臓から、このままでは危ない事になるのでは…という警報が発令されたらしい。



「そんなにお金無いので、トリプルとかはちょっと……」



先手を打ってみたのだが、はるるんはしたり顔。



「さあ、どうしようかな」


「はるるん!」



やめてー!今月は結構ピンチなんだよ!



若干涙目で名前を叫べば、はるるんの口からふふっという笑い声が漏れ出る。



「嘘よ、嘘」



私、遊ばれてただけか……。


意地悪だなぁ、もう。



「もう、無駄にドキドキしちゃったよ」



ぷうっと頬を膨らませる私にはるるんはというと、


「ごめん、ごめん。はい、お詫び」


と言ってお弁当に入っていた卵焼きをお箸で摘まんで私へと差し出してくる。


そのタイミングでカパッと口を開けると、口の中へと放り込まれる卵焼き。


ほんのり甘い卵焼きの味が口の中を広がっていく。



うん。やっぱり美味しい!



空腹だったお腹も少しだけ満たされたみたいだ。