きっと、秘密に気付いた私にしか出来ない事だから。
ごめんね。今から梶木君が言われたく無い事を言うよ。
ごめんね。私の事、凄く嫌な奴だと思ってくれても良いから。
どんなに嫌われたって私は、梶木颯太君が大好きです。
それだけは忘れないで。
「梶木君は、……梶木君のおばあちゃん。梶木雪さんが、本当はもう亡くなっている事に気付いてるんじゃない?」
このタイミングでぶわっと吹く風が私達の間を通り抜けていく。
暑いのに、どこか冷たい風。
「な、…何で…」
怯えた様に目を見開き、震える声を出す梶木君なんて初めて見た。
今にも消えてしまいそうな雰囲気がして、私が間違った事をしている気がしてくる。
思わず目を逸らして、川へと向ける。
そうしないと次の言葉が紡げそうにない。
スーっと息を吸い込み、その息を吐き出すと共に胸にある言葉を吐き出す為に口を開いた。
「梶木君は結構正直だよね。私に嘘を吐かなかったでしょ?」
「何…言ってるの?」
梶木君は私に嘘を吐かなかった。
だから気付いたんだよ。
……梶木君の秘密に。
「梶木君のおばあちゃんは五年前に交通事故で亡くなってる。それを知ったのが一昨日。一昨日、図書館でその時の新聞記事を閲覧して来たんだ」
「…………」


