ドキドキし過ぎて、兎に角口の中にスプーンで掬ったパフェをどんどん入れていく私としれっとした顔をしてアイスコーヒーを飲む梶木君。
きっと端から見たら変な組み合わせなんだろう。
訝しげな顔を私達に向けたお客さんとさっき一瞬目が合ったから。
それでも周りの目なんて気にならない。
それほどまでに今の状況がいっぱいいっぱいなんだ。
口の中でスーっと溶けていくバニラアイスが私のか身体を冷やしてくれている筈なのに、そんな程度では全く下がる事のない体温。
火照り過ぎた自分を冷やそうとする私の手は止まる事無くパフェを私の口へと運び続ける。
味は、……美味しいんだろう。
食べたくて堪らなかった癖に、味がいまいち分からないってどうなんたろう……。
結局そのままハイスピードで食べ終わってしまったパフェ。それを白い目で見ていた梶木君の食べるの早過ぎ…という言葉が胸に刺さったと同時に苦笑いを浮かべるという始末だ。
その後に少し夏休みの課題の話をしていたが、やはりこの店は今流行っているらしくてお客さんが次から次へとやって来る。
混み出した店内で悠長にお喋りなんて雰囲気でもなくなってきた為、二人して店を出ようと席を立った。
そういえば…と思い、テーブルの上にある筈の伝票を探そうとテーブルへと目を向けた時、
「お会計は僕が」
さらっとテーブルに置かれていた伝票を取っていたらしい梶木君は、それだけ言ってスタスタとレジへと歩いて行ってしまう。


