「お父さんが盲腸で入院してたんだよ!それで、今日退院」
ニカッと歯を見せてそう言いながら笑うと、ああ。と納得した後に「そうなんだ」と梶木君らしいどうでもよさそうな相槌が続く。
夏休み。病院。といつも会う時間と場所じゃなくても、梶木君らしさは健在だ。
「梶木君は?」
「僕は……」
「ま、まさか梶木君、病気とか!?」
自分から聞いておきながら梶木君が口を開いた瞬間、胸の奥にあった不安が押し寄せて、答えを聞く前に言葉を被せてしまうという失態。
当然ながら、話を途中で切られた梶木君は私へと恐ろしく冷たい視線を向けてくる。
「病気に見える?」
冷たい声音で放たれたその言葉に思わず苦笑いを漏らす。
病院にいるっていう事は病気か、はたまたお見舞いか。
見た目的には梶木君は病気ではなさそうではある。けど、病気に関しては見た目じゃ判断出来ない方が多いし……。
「分かんない」
眉を下げてそう答えるしか出来ない。
梶木君が病気じゃありません様に…と密かに願って。
そんな私の様子に呆れたのか、はぁ…っと盛大な溜め息が落ちてくる。
「病気な訳ないでしょ。ほんと森山さんって馬鹿だよね」
ぶっきらぼうなその言葉に不安だった気持ちがスーっと消えていく。
病気じゃ無かったんだ!
……良かった。
ほっと胸を撫で下ろすと共に再び頭を過る疑問。
「では何故に病院に?」
「ばあちゃん。ばあちゃんが入院」
な、何ですと!?


