「えー、明日はデートだったのに」
「また!」
「えっ、羨ましいって。知ってる」
「そんな事一言も言ってないからっ!!」
私に意地悪な笑み向けてくる海に、眉間に皺を寄せて突っ込むも、海は歯を見せてシシシッと笑うのみ。
そりゃ、本音を言えば羨ましいさ。
でもそれを言ったら最後、どれだけからかわれる事か。
それだけは絶対に阻止せねば!
そう意気込んだ時、クスクスと言う笑い声と共にお母さんの声音が聞こえてくる。
「泉も大人になったら彼氏がきっと出来るわよ」
優しい笑顔で言うお母さん。
いや、あのさ、
「お母さん、それ全然フォローになってないから!」
寧ろ心を抉ってるからっ!
大人って何歳から?そんでもって大人になるまで私には彼氏は出来ない予想ですかい!
「あら、そう?」
そう言ってふわっと笑うのは返事に困った時のお母さんの常套手段だ。
ふうっと息を吐き、お母さんってば…と思ったのも束の間、今度はお祖父ちゃんの言葉に項垂れる。
「ばあさんみたいな人が見付かるとええの」
「お祖父ちゃん。私、女だからね……」
「ん?あっ、そうじゃった」
もう皆、私の事をどう思ってんだか。
そりゃ、お祖母ちゃんみたいな人はきっと素敵だと思うけど、私としては守って欲しいって気持ちもあるのだよ。
お祖父ちゃんが前にお祖母ちゃんは守ってやらないかん様な華奢な人だったって言ってたじゃん。
守ってやらないかん華奢な人。
そういう人と出会うじゃなくて、そういう人に私がなりたいよ……。


