ぽんぽんぼん




この部屋に入るのも今日で3度目だ。


お父さんが入院したという電話があって今日で丁度1週間になる。何の問題もなく回復に向かったお父さんは今日で退院だ。


チラッと窓からお父さんへと視線を移すと幸せそうに歯を見せて笑っている。



「いやー、退院の日に家族全員が揃うなんて俺は幸せだなぁ」


「でしょ」



お父さんの言葉にそう自信満々に相槌を打つ海。


毎日来ていたお母さん以外は、それぞれバラバラにお見舞いに来ていたのだが、今日は退院という事もあってか家族全員が揃った訳だ。


まあ全員と言っても、お父さん、お母さん、私と海、後はお祖父ちゃんってだけなんだけど。



「結局海は今日しか来てないもんね」


「お姉ちゃんと違ってリア充だからね」



嫌味でそう言ったのに、撃沈させられたのは私の方。



リア充、……羨ましい!



「私だってぽん菓子一杯食べて幸せだもんね!」



頬をひきつらせながらも精一杯の自分の幸せをアピールしてみるけど、海からの視線はとてつもなく冷たい。



「それ、全然羨ましくないからね。お姉ちゃんって馬鹿?」


「馬鹿じゃないっ!」



学校に行かなくても、もれなく馬鹿はやって来る。


どこであっても私は馬鹿と言われる運命なのかもしれない。


そんな運命要らないし。



「いやー、賑やかで良いことだ」



私と海のそんなやり取りを見て微笑みながらそう言うお父さんは、本当に幸せそうな顔をしていて。


やっぱり入院生活は楽しく無かったんだなって思う。