ボクの歌姫







屋上のドアを開けると、


「「あっ…」」


先客と目が合った。




「山科さん、来てたんだ。」



「うん、何かにぎやかで落ち着かなくて。
トイレ行くフリして逃げてきちゃった。」


そう言って彼女はいたずらに笑った。



「ははっ、弁当持ってトイレ?」



「あ、ほんとだ!トイレ行くのに弁当はおかしいよね。」


と言って苦笑した。