ボクの歌姫






「…Kasumiは、私のお母さんだよ。」




「え…」



「笑斗くんが驚くのも当然なの。

"Kasumi"のイメージ上
結婚したことも、子どもができたことも、
事務所が極秘にしてたみたいだから。


知ってるのは、事務所の社長とお母さんのマネージャーと
私とお母さんの高校時代からの親友だけ。」



「父親は?」



「お父さんは…2年前に近所の川で溺れてた女の子を助けようとして
…死んじゃった。」




「あ…ごめん。」



彼女は首を横に振った。



「いいの。事実だから。受け止めなきゃ…」