それから、千波留ちゃんと買い物したり映画見たりして帰った。
そして、自分の家の庭にチャリを止めていた時―…
「千波留ちゃんとのデートは楽しかった?」
と上から小夏の声。
見ると、小夏が自分の部屋のベランダからオレを見下ろしていた。
「アホ。デートじゃないし。」
「見たよー。楽しそうに二ケツしてるとこ。」
「勝手に見んなよ!」
「…千波留ちゃん…可愛い子じゃん。」
「お前と違って女の子らしいしね!」
オレが、この言葉を言った途端、小夏が悲しそうな顔になった。
―…何?
今の顔。
いつもなら言い返してくるくせに
何でそんな顔してんだよ。

