オレは決意を決めて、足を動かし始めた。 …向かうは、小夏と陽大のいる曲がり角の向こう側。 「……おい。」 小夏の後ろに立ってふたりに声をかけると、小夏の肩が揺れた。 「な、七世…」 陽大が苦笑いをオレに向ける。 「…誤解すんなよ?オレが泣かしたんじゃないからな。」 「……あ、そー」 そう言ったオレは、陽大を見ながら小夏の手を取った。 「―…じゃ、コイツ持ってくからな。」 .