玄関で靴を抜いでいると、母親と小夏のおばさんが出て来た。
「「おかえりー」」
「ん。小夏は?」
「何か七世くんの部屋に行ったまま、下りてこないよ?」
「……そうですか……」
言葉と表情では冷静を装うことが出来た。
だけど、心臓はバクバク。
―…小夏はオレの部屋で何してんだ…って。
自慢じゃないけど、オレの部屋はめちゃくちゃ汚い。
朝抜いだ洋服なんかそのままだしマンガとか教科書が散乱してるし……
オレは急いで、階段を駆け上がった。
そして勢いよく開けた扉。
「…………え?……」
そこには、壁にもたれ掛かって眠る小夏の姿があった。
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