なんだ。 そっか。 ――…オレが一人で勘違いして空回りしてただけか。 背中の小夏の寝息を聞きながらなぜか安心してるオレ。 すると、いきなり小夏の腕によって軽く絞まる首。 「…ん……な…なせ…」 という寝ぼけた小夏の声が耳元で響く。 ――…寝言でオレの名前言ってんじゃねぇよ… 「あーあ…チャリどうしよ…」 照れ隠しのオレの一人言は夕暮れの道に小さく消えた。