「…………っ、」 顔を歪ませて、会長を睨みつける。 「華は何も教えてくれなかったけど ウワサではあんたが泣かせたんだって?」 少ししか、会ったことはないが 会うと感じるこの違和感。 「それなら、本気で奪うから」 小さくささやかれたそれは 違和感の理由を表していて。 モヤモヤしたのも、不安になったのも あいつが華の前で笑顔だったから 生徒会では絶対に見せない笑顔を 華には見せていたからだ。 パッと手を離して、アイツは言う。 「言っとくけど、昨日華を家まで送ったの 僕だから」