「……あっ、いや何でもないんだけどね」 自分だけ、やましい事を考えていたのが 恥ずかしくなって無理やり話を出すと 「そ、そ、そういえばさ 今日はその石川くん達と何かあったの?」 挙動不審になってしまった。 でも、朝宮野くんが大きな声を出したこと聞きたかったからちょうど良かった。 そう思って、宮野くんの返答を待っていると 彼は小さな声でこう言った。 「別に、佐藤には関係ないだろ」 ズキンー そっか、そうだよね。 確かに関係ない事だよね……。 視界がボヤボヤとにじんでいく。