まだ来てほしくないと思う時間は すぐにやって来てしまった。 「佐藤、帰んぞ」 「うん……」 私の目の前にカバンを持ってやって来た宮野くん。 校舎を出ていつものように駅に向かえば 彼は昨日より、たくさん話してくれた。 宮野くんも頑張ってくれてる。 それを見たら、私だけこのままじゃいけない!って思って 歩いてる彼の手に自分の手をそっと近付けた。 「そんで、石川のヤツがさ……、っ!」 手が触れると 一瞬会話が止まる宮野くん。