「すいません。
急いでるんで。」


特に用事ないけど、あたしは帰りたいの!



「いいじゃん、名前くらい。」


「だから嫌だってば!」



このときのあたしは
まだ理稀のことを何も知らなかった。


だから、まさかこんなところで
理稀のスイッチを入れてしまうなんて
思いもしなかった。