《沙織side》



梅雨が来た。


じめじめして蒸し暑い。


それと同時に、私の学力もぐんと下がり、5月の中間テストは最悪な結果を迎えてしまった。




幸彦がいた時は…

勉強も教えてくれたし、一緒に頑張れたのにな…


そんなことを思いながら今日もケータイ片手に下校中。




「沙織ちゃんっ!!!!」





またかよ。(笑)


いっつも会ったら走ってかけよってくるけど
私は話すことなんてない。



「桃ちゃん。そう言えば久しぶりだねー」



「そうだねっ!!会えて良かったぁ〜」





…。笑

桃ちゃんって素直でいいけど
私は苦手なタイプ。



なんたって、
お嬢様気質で、金持ちだしフリフリ系の子だから。




そんな子と私は無縁。
おろか、仲良くすつもりなんて1mmもなかった。




「華奈ちゃんとはまだ仲直りしてないの…?」



「桃ちゃんには関係ないから大丈夫だよ」



「そだよね…ごめんね」



「桃ちゃんこそ、つるんでる友達とかは?」



「高校からはいないの。ここの高校…お金払って入ったから中学からの友達少なくて。」




「……え?」



「へへ、実は私めちゃくちゃおバカでね?
大学も行かないの。将来はうちの親の事業手伝うつもりなんだけどね…」




「ふーん。すごいね、私もそんな家に産まれたかったよ。」




正直…



どうでもいいかも。


金持ち自慢?
じゃなかったらなに?

わけわかんないこの子。