「あれ?体育館の電気ついてる…」
マネージャーの仕事を終わらせると、辺りは暗くなっていた。
部室の鍵を閉めて、通用門に続く渡り廊下を歩いていると体育館の電気がついてる事に気が付いた。
電気をつけたままにしておくと、学校側からの説教があるらしい。
私は溜め息をはいて体育館に向かう。
「誰かいるー?」
一応、体育館内に声をかける。返事は勿論なく、私は電気を消そうとスイッチに手を伸ばす。
「あ」
体育館のはしっこに、バスケットボールが転がっていた。
誰かが直し忘れたのか。私は鞄を置いて、ボールを拾って倉庫に足を運ぶ。
「…ちょっとぐらいだといいよね?」
ボールを見つめて、一人呟いた。
