「じゃぁ、最後の一人だな。どうぞ」

「あ、はい。斎柳(さいりゅう)中学出身の寺山空です。マネージャー志望ですっ。よろしくお願いします」

ペコリと頭を下げると、パチパチとまばらな拍手が起きる。
「よし、これで全員終わったな?改めて、バスケに入部してくれてありがとう。俺達の目標は全国制覇だ。練習は勿論厳しいし、しんどい。だけど、その結果は絶対現れる。
レギュラー目指して頑張ってくれ」

「よーし、栗田の固い挨拶も終わったし、練習行こうぜー」
「三渕、お前やっぱ死んどくか?」
「わー!冗談に決まってるだろ!?」
にっこり微笑む栗田先輩を見て、三渕先輩は青ざめた顔で部室を出ていく。 
栗田先輩は溜め息を吐き、私たちは苦笑しながら先輩達の後をついていった。