甘く響く

食後のコーヒーが出て来て
カラフルなムースがスプーンに乗って運ばれて来た

「…あれ?」

あまりに美味しいデザートに夢中になっていたら
いつの間にかアルとジーンがいなくなっていた

「今後について話があるとかで席を外しています。」

すぐに察してくれたゼルが耳打ちしてくれた
今後のこと?
なんの話だろうか?


「さ、レイ、そろそろ行こうか」

クライブが優しい笑みでレイの手を取った

「え…どこへ…ですか?」

クライブに立ち上がらされて
長身の彼を見上げる

「どこって…約束したでしょ?俺の部屋。…お礼、しなくちゃ」

微笑む彼はレイの手にキスをした

レイはまた顔が熱くなる

「ちょっと待てよ。こいつは俺と約束してる。」

レオンが少し乱暴に
レイの腰に手を回して引いた
クライブとレイの間に割って入る

「ダメだよー。レイちゃんは俺と遊ぶのー」

クライブと反対の手をリーゼが引いた
その手を口元へ持っていき、クリームクリームと騒ぐ

まるでオモチャ
マリオネットが変な操作をされているようにレイの体制は崩れる


「あ、ぶ、ない!」

そう言った時にはもう遅かった
大きな音を立てて
レイは倒れた


「レイさん!大丈夫ですか?!」

すぐにゼルが駆け寄って来て
異様な景色にため息を着く

下敷きになったクライブ
守るように頭と肩を抱え込むレオン
足に絡みつくリーゼ

それをひょいひょいと手で払って
ゼルはレイの手を引いて立たせてくれた

「何度言わせるんですか?レイさんはあなたたちのオモチャじゃありません。大切に扱ってください」

レイの肩に着いたホコリを軽く叩いて落としながら
ゼルは三人を見下ろした

「扱うって」
「もうその言葉が」
「オモチャだと思ってるじゃーん」

不満を言う三兄弟を無視して
ゼルはレイを移動させようとドアに向かった

「談話室で待ちましょう。新しいコーヒーをお出しします。邪魔、が、入らないように梅雨払いさせます」

邪魔
の時だけ三兄弟を見下ろして
まるでオマエラのことだと言いたげな顔をした