視線を向けると、
「無理やりにも、程があったな」

部長は顔を隠すように、手をおおった。

「これじゃあ、レイプだな」

部長は息を吐いた。

「シャワー浴びてくる。

逃げるなら今のうちだぞ?」

部長はそう言うと、わたしから離れた。

バタンと、バスルームのドアが閉まった音が聞こえた。

「――あんな部長、初めて見た…」

コツンと、壁に頭を当てた。

当てたことは当てたけど、どうすればいいのかわからなかった。

部長は逃げるなら今のうちだって言ってたけど、その場から動くことができなかった。