ラヴコリーダ

それよりも…うーん、少女マンガではよくあるシチュエーションだよね?

わたしの右側には部長、左側には上川さん。

いわゆる、憧れの“両手に花”と言うシーンだけど…体験して見ると、何か複雑な感じがするなあ。

「彼女はこう言うところが苦手なんだ。

お前みたいなタラシに面倒を見てもらわなくても結構だ」

「ひっどいなー」

同期で何でも言いあえるから、仲がいいんだなあ。

そんなことを思って感心しているわたしに、
「まあ、いいや。

この子のグラス1口もらったら退散するわ」

上川さんがそう言ったと思ったら、グラスを持っているわたしの手を握った。

「えっ…!?」

えっ、な、何!?

上川さんに握られているわたしの手は、彼の口元へ…。