「利用率を伸ばしてくれたら、助かるんだけどね~。」
「なかなか難しいですよね。」
「本離れだけじゃないとこなのよね。」

お互いの顔を見合わせて笑った。

「引き止めて、悪かったね。」
「いえいえ。」
「ま、お互い、仕事しなくちゃね。」

春は忙しい。

職員室に戻ると、頼んでいた問題集が机に届いていた。真新しいインクの匂いは、バタバタと慌ただしい、春の匂いだ。

背中をぐいぐい押されながら、前に進まねば。