「だから、分かってもらえるかなって、思うんだ。」

大野先生は、真っ直ぐに俺を見て言った。

「新しく入る谷川先生も、たぶん、いろいろ言われたり、冷たくされたりもあると思う。」

温かく迎えてくれる先生が大半だろうけど、厳しい方や採用に反対していた方も、少なからずいる。

「他の先生にも声かけるけど…支えてあげてね。」

俺は深く頷いた。

「何もできないかもしれませんが。」
「いやいや、そんなことない。話を聞いてあげるだけでもいいし。」
「それぐらいしか…」

大野先生は、ぽんっと俺の肩に右手を置いた。