「谷川先生、甘いもの大丈夫?」
「え?はい。」
「じゃあ、手、出して。」

ポケットに入っていたのど飴を、ぎゅっとにぎらせた。

「飴ちゃん。」

ぷっと吹き出して笑われた。

「飴ちゃんって、意外。」
「なんかね、谷川先生にもらわれてくのは、飴ちゃんって言いたくなるんだ。」
「なんですか、それ。」
「なんとなく、ね。リスト、ありがとうね。」

笑ってごまかして、図書室を出た。