生徒じゃあるまいし、ウジウジなに考えてるんだよ…なんて思いながら、気がつけば図書室の扉の前にいた。
いや…用事があったからだけど。
引き戸を開けると、谷川先生が俺に気づいて声をかけてきた。
「ちょうどよかった。昨日頼まれたイマージョン教育の文献、ざっくりですがリスト作っときましたよ。」
「ありがとう。仕事早いね。」
谷川先生はかぶりをふって、まだまだ、と答えた。
「昨日来室時に、なにも渡せなくて申し訳なくて。」
「いや、急ぎじゃなかったし。」
彼女のはにかんだ笑顔で、少し癒されながらも、ドアの前まで考えていたことが、ささくれみたいに気になった。
引っ張って取ろうとして、血がにじむ…かもしれないけれど、ここはチャンス、だろうか。
いや…用事があったからだけど。
引き戸を開けると、谷川先生が俺に気づいて声をかけてきた。
「ちょうどよかった。昨日頼まれたイマージョン教育の文献、ざっくりですがリスト作っときましたよ。」
「ありがとう。仕事早いね。」
谷川先生はかぶりをふって、まだまだ、と答えた。
「昨日来室時に、なにも渡せなくて申し訳なくて。」
「いや、急ぎじゃなかったし。」
彼女のはにかんだ笑顔で、少し癒されながらも、ドアの前まで考えていたことが、ささくれみたいに気になった。
引っ張って取ろうとして、血がにじむ…かもしれないけれど、ここはチャンス、だろうか。

