｢ほの、遠慮はいらないから、辛かったり、誰かにたよりたいときは、俺でもタクミでも、電話しろよ。｣
｢…うん。｣
｢お前は溜め込み型だから、吐き出し口がないと、潰れるぞ。｣
｢分かってる。｣
｢じゃあ、なんでそんな声してるんだ？｣

タマも、人の感情にするどい。

｢ねえ、タマ、私って冷たい女かな？｣
｢うーん…冷たい印象を与える言葉を言ってしまう女、かな？｣
｢今日さ…昔、タマがタクミを好きかもって気づいた時みたいな顔されたんだ。｣

話ながら金沢先生のことを思い出した。

｢仕事忙しい先生でさ、なのに、ちょくちょく気にかけてくれてるんだけど、私の仕事だし、悪いから、手伝わなくて大丈夫ですって言ったら、なんか、すごーく寂しそうな目をしてた。｣
｢そうか。それは…冷たい女というより、普通の対応しただけだし。｣
｢でも、好きだった相手と、就職決まって別れたり、私って冷たい女かなとか…｣
｢いや、優しいからじゃないか？｣

ハッとした。