そんなことを思いながら帰宅した。

だからなのか、久々にタマから電話があった。

大学時代は毎日のように顔を合わせて話していたから、電話がかかってきた時は、なんだか不思議だった。ただ、出て直後、そんなふわふわした感覚は打ち砕かれた。

「ほの、タクミと別れたってホント?」

言わなかった私も悪いが、タクミも黙っていたようだ。電話の向こうは、どこかの居酒屋なのか、ガヤガヤと話す声が聞こえる。

「うん。」
「今聞いた。なんで言わなかった?」
「なんとなく。」
「そうか。」

今聞いた、ということは、タクミと飲んでるってことか。