俺はかまくらの前でしゃがみこみ、うな垂れていた。


優に30分はそうしていただろうか、急速に体温が奪われつつあることに今更ながら気付く。


――おいおい、いくら考え込んでも、お前の顔が元に戻るわけじゃないんだ。

それより、風邪でも引いちまったらどうする。

さっさと溜まった原稿を書け。

ちゃんと現実を見すえろ。