遠く28年の時を越え、母の絶叫が脳裏にこだまする。


慌ててかまくらから飛び出した俺は雪に足を取られ、燃えたぎる焚き火の中にダイビングした。


幸い命に別状はなかったものの、無惨なケロイド状の火傷痕が顔面に残った。


以降の人生は、自分の相貌をいかに巧妙に隠しおおせるかに費やされたといっても過言ではない。