人見知りのキリスト

俺はうんざりした気分でテレビを消した。



光山龍神――今をときめく売れっ子SF作家だ。


仮にこの男が既婚者で十人並みの容姿だったなら、これほど世間の注目を集めることはなかっただろう。


窓越しにちらつく小雪にふと目をやったとき、傍らの携帯がけたたましく鳴った。


発信者の名を見て、俺はげんなりした。