「本当に居たのよ。ここの神様だったのよ。ちょっと変わった神様だったけどね」
優はうふふっと笑いながら言った。
二人はカーブミラーの在ったところに立ち、あたりを見渡した。
「あの時から思うと、ずいぶん変わっちゃった」と優が言った。
「うん、にぎやかになった」
十字路にカーブミラーの姿は無く、そのかわりに発光ダイオードを使った最新式の信号機が設置されていた。
十字路の周辺にいくつも在った空き地には、いろいろな形をした新しい家が建ち並び、以前より人も車も多くなっていた。
信号機が青に変わり、それまで止まっていた車がエンジン音を轟かせて走り始めた。
「みんな新しくなってしまったから、ミラーボーも出てこられなくなってしまったのかも」
「そうかもしれないわね」
優が相づちをうったその時だった。
あはははははは・・・・・・。
「あれ?あの声は!」
「ミラーボーが笑ったのよ」
二人は無意識のうちに手を取り合って、空を見上げた。そして声をそろえて叫んだ。
「ミラーボー!」
しかし、もう二度とミラーボーの笑い声が聞こえることはなかった。
二人は手を取り合ったまま、行き交う人や車を見つめた。
西に傾いた太陽の光が、二人の影を坂の上にながーく焼き付けていた。
(おわり)
優はうふふっと笑いながら言った。
二人はカーブミラーの在ったところに立ち、あたりを見渡した。
「あの時から思うと、ずいぶん変わっちゃった」と優が言った。
「うん、にぎやかになった」
十字路にカーブミラーの姿は無く、そのかわりに発光ダイオードを使った最新式の信号機が設置されていた。
十字路の周辺にいくつも在った空き地には、いろいろな形をした新しい家が建ち並び、以前より人も車も多くなっていた。
信号機が青に変わり、それまで止まっていた車がエンジン音を轟かせて走り始めた。
「みんな新しくなってしまったから、ミラーボーも出てこられなくなってしまったのかも」
「そうかもしれないわね」
優が相づちをうったその時だった。
あはははははは・・・・・・。
「あれ?あの声は!」
「ミラーボーが笑ったのよ」
二人は無意識のうちに手を取り合って、空を見上げた。そして声をそろえて叫んだ。
「ミラーボー!」
しかし、もう二度とミラーボーの笑い声が聞こえることはなかった。
二人は手を取り合ったまま、行き交う人や車を見つめた。
西に傾いた太陽の光が、二人の影を坂の上にながーく焼き付けていた。
(おわり)



