☲ミラーが笑った◎

翌日の午後、ピーンポーンパーンポーン、と授業終了のチャイムが鳴り渡ると同時に、各教室からどっと学生服姿の生徒が出てきた。

自転車通学の生徒がほとんどだが、なかには歩いて帰るものもいる。

ひろみはバッグを後ろの荷台に縛り付けるとさっと自転車に乗り、田んぼの横の町道をスピードを出しながら走り出した。

西に傾き始めたオレンジ色の太陽がひろみと自転車の影を田んぼの上に映し出していた。

スクールバスのバス停近くに自転車を立てかけて、優を待つことにした。

しばらくして、あの黄色いスクールバスが音をたててやって来た。

ハザードランプをチカチカさせて、道路際に止まったスクールバスの扉が開き、優がゆっくりと降りてきた。

「ごめんね。待った?」

「ううん。そんなに待たなかった」

二人は肩を並べて十字路の方に歩いて行った。

「あのー」

「え?」

「あのー、花のしおり、ありがとう。きのう、あっちこっち探したら、まだ中学の教科書の中に挟んであった」