☲ミラーが笑った◎

(ふーん。いろいろ調べているもんだな)

ひろみは感心してつっ立ったまま発表を聞いていた。

「しかし、自動車の生産台数に比べると、電気式信号機の生産はわずかです。ここにそのグラフが有ります」

それを比較するグラフがスクリーンに映し出された。確かに自動車の生産台数の増加率と比較すると、信号機の生産台数には大きな差がある。

「そこで、信号機の変わりに考えられたのが、生産コストが安いミラーボー、あっ、ごめんなさい。カーブミラーです」

(えっ!、ミラーボー?)

ひろみはびっくりして、その女子生徒の顔を見た。

まだ、発表は続いていたが、もうその研究内容はひろみの頭の中に少しも入ってこない。

ひろみは、ただただじっと、その女子生徒が笑顔で発表している姿を見つめていた。

研究発表が終わり、ひろみの周りで拍手が湧き起こった。

われに返ったひろみも周囲にあわせて拍手をした。
その女子生徒が演壇を降り、出口に来たところで、ひろみは勇気を出して声をかけた。