☲ミラーが笑った◎

「こんなに大きなディスプレイの画面が本当にあるんですか?」

子供の手を引いた若い主婦が写真を指差して、その女子生徒に聞いた。

「はい、あります。この写真の装置は交通システム制御卓といって、東京警視庁の中にあります」

「これで都内の交通網を把握しているのね」

ひろみも、ふーんと感心してその写真に見入った。

(もしかすると、自分がめざそうとしているシステムエンジニアに関係があるかもしれないな。)

ひろみは掲示物を見て、そう考えていた。

室内の奥の方では、ちょうど一人の女子生徒がスクリーンの横に立って、プロジェクターを操作しながら研究発表をしていた。

「こうして一里塚や道租神といった交通標識の時代が終わり、世の中は車社会へと移ってきました」

スクリーン上に一里塚と道祖神の映像に代わって、自動車で混雑する交差点の映像が映し出された。

「自動車の数が増加すると、それに伴って自動車と人の接触事故や自動車同士の事故が急に増えてきたのです。そこで各地の交差点に設置されたのが電気式信号機です」