欠片になった彼と、彼女の記憶




「見てて~!」



桃ちゃんが鉄棒に手をかけてくるんっと回る。



「すごーい!!」



「すげーな桃!」



優弥と2人でパチパチと拍手する。



「えへへ!あっちのすべり台行ってくる!」



桃ちゃんは満足そうにそう言うとすべり台の方へ走って行ってしまった。







「桃ちゃんすごいな~半年前はちゃんと回れてなかったのに」



「……え、お前その時のこと覚えてるの?」



「え?うん。この前もここの公園で3人で遊んだからさっき桃ちゃんが優弥も一緒に行かないの?って少しダダこねてたんだよね」



「…ふ~ん」



優弥は何やら考え込んでいる顔をしていた。