蒼が、上着のポケットから聴診器を出す。
「な、なんでそんなとこに入ってんの…」
「ん?季蛍のことすぐ診るから。カバンに入れとくよりいいかなーって思った。」
「…………………………」
「…じゃ、服捲って」
「……………………………………」
そっと服を捲る。
「ん、」
蒼の手が入る。
「息吸って」
……
「よし、OK。
「………季蛍無理してる?」
「してないよ…」
「顔色が優れないね」
「…………そんなことない。
久しぶりに外でたから、少し疲れただけ」
「そっか。
無理だけはするなよ。」
蒼はそういって、聴診器をしまう。