病室を出ると、看護師がいた。
「あっ、蒼先生。
あの、朝ご飯…。」
「……………あ、季蛍?
季蛍ね、いらない…。
吐いちゃうから、食べ物見せないであげて。」
「あ、わかりました。じゃあ、食事とか…どうします?」
「………うーん。
高島と相談しておく。とりあえず季蛍のご飯はいいよ」
「わかりました」
微笑んでから、俺は医局へ向かった。
医局へ行くと、高島が頭を抱えていた。
「…ちょ、高島?どうした?」
「……あ、すいません、考え事です。」
「…………季蛍?」
「…………………なんでわかるんですか?」
「俺も考えてたところ」
「………あ、そうなんですか、」
「…季蛍の食事どうしよ。
…無理に食べることはよくないけど…
食べなさすぎもな、
お腹の赤ちゃんにだって、栄養いかないし。」
「…………そうですよね。
でも、食べたがらないじゃないですか…。
それで悩んでたんですよ」
「うーん…」