俺も想像できなかった、想像以上のつわり。
「………………ハァ………ハァ…………………………
………ハァ…………………………………」
季蛍が、もう大丈夫、と静かに立ち上がる。
立つ瞬間、フラッとした季蛍の背中に手を回し、洗面所で口を濯がせる。
「…蒼ッまた、吐……」
言葉をいいかけ、またトイレに駆け込む季蛍。
「…季蛍ッ………………」
座り込んで、目を瞑りながら、気持ち悪さに耐えている季蛍をみて、俺はどうしようもなかった。
「もう、いい、」
しばらく、吐き続けて、季蛍はまた立った。
「……もう大丈夫?」
「…………うん、平気………………………」


